接近禁止命令・退去命令とは

接近禁止命令の内容

 すでに,妻が避難先の住居に転居した場合等で別居している場合に,DVの加害者は,妻の所在を調べようと執拗に詮索をします。
 そこで,その場合に,裁判所が被害者につきまとったり,そのような場所を徘徊したりする行為を禁止するために出すのが「接近禁止命令」です。
 接近禁止命令の有効期間は6ヶ月で,再度の申立も可能です。

 なお,保護命令は夫の住所地を管轄する地方裁判所,妻の住所・居所の所在地や暴力が行われた地を管轄する地方裁判所に申立をします。

 また,接近禁止とともに,夫が子供を学校の前で待ち伏せするなどし,子供を連れ去る危険がある場合には,子供への接近禁止命令もあわせて出してくれます。
 同様に,親族への接近禁止命令もあります。
 さらに,接近禁止命令とともに,以下の行為を禁止する命令も出してくれます。

@ 面会の要求
A 行動の監視に関する事項を告げること等
B 著しく粗野、乱暴な言動
C 無言電話、連続しての電話、ファクシミリ、電子メール
D 夜間の電話、ファクシミリ、電子メール
E 汚物、動物の死体などの著しく不快または嫌悪の情を催させる物の送付等
F 名誉を害する事項を告げることなど
G 性的羞恥心を害する事項を告げることなどまたは性的羞恥心を害する文書、図画の送付等

退去命令の内容

 加害者である夫に,被害者の妻と一緒に生活していた住居から2ヶ月間退去せよとの命令を出すのが「退去命令」です。
 この2ヶ月の間に,妻は,夫に邪魔されずに自宅に残してきた荷物を運び出すことができます。

 もっとも,被害者がすでに引越しを済ませているのに,2か月間が過ぎるまで家に戻れないというのは不合理なので,退去命令が出されてから2週間を経過したら,退去命令の取り消しを求めることができます。また,保護命令の申立てをした被害者の同意があれば,退去命令は取り消され,家に戻ることができます。

接近禁止・退去命令申立をする際に注意すべきこと

 このように,接近禁止命令は,離婚の前提として強力に被害者を保護してくれる制度です。
 申立の場合,以下に注意しましょう。

■住所が判明しないようにしましょう

 申立書は夫にも送付されます。そこで,住所を知られないようにするためには,住民票上の住所等を記載するようにしましょう。
 また、提出した証拠も夫が見ることが出来るため,避難先が判明しないように慎重に記載しましょう。
 そのほかにも,診断書から病院名がわかってしまったり,写真の背景から場所が分かってしまうようなことのないようにしましょう。

■証拠を集めましょう

 接近禁止命令は,夫がDV行為を行っていることの証拠が必要です。
 一般的には,以下のような証拠を集めておきましょう。

・診断書
・怪我の状態を写した写真、壊れた家具や部屋の散乱状態等暴力の痕跡の残る写真
・暴言等を録音したテープ
・脅迫状などの手紙類
・メールでの強迫文言
・日記などのメモ書きで暴力を示唆するもの
・陳述書(妻や証人作成のもの)

■警察等への相談が必要です

 申立には,配偶者暴力相談支援センター(DVセンター)や警察に相談した事実等を記載しなければなりません。

 その場合には,以下の事実をきちんとまとめておきましょう。
 ・相談等をした機関の名称
 ・相談等をした日時・機関
 ・相談等の内容
 ・相談等に対してとられた措置

 なお,DVセンターや警察に相談をしていない場合には,相手方からの暴力を受けた状況等の所定の事項を記載した宣誓供述書(公証人の前でその記載が真実であると宣誓した上で署名・捺印をした証書)を添付する必要があります。




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